ダンパーステーの基礎知識
ダンパーステーの仕組みや種類、使い方などの基礎知識をご紹介します。
実際の製品選定については、ダンパーヒンジ・ダンパーステー選定ツールをぜひお試しください。
ダンパーステーとは?
ダンパーステーとは?
ダンパーステーとは、扉や蓋をゆっくり閉めたり開けたりできるステーで、「スローダウンステー」や「ソフトダウンステー」と呼ばれることもあります。ゆっくり閉まることを「ソフトクローズ」や「ソフトダウン」、ゆっくり開くことを「ソフトオープン」と言います。
閉じ際・開き際のスピードを抑えることで、開閉の衝撃やバタンという音を和らげるだけでなく、家具や装置の動きに高級感を付加できます。さらに指挟みしにくくなるという安全面での価値もプラスできます。
なぜゆっくり動くの? - ダンパーステーの構造

弊社のダンパーステーの多くは「ラプコン」という独自のダンパー機構を搭載しており、粘性体を利用した機構です。そのため「ラプコンステー」と呼ばれることもあります。
粘性体の抵抗によってソフトクローズ機能が働きます。
ヒンジやステー選定時のポイント

オリフィス構造
太い径から細い径に粘性体を流すと抵抗が発生します。

せん断構造
粘性体を挟んだ板を動かすと抵抗が発生します。
ダンパーステーの種類
ダンパーステーに対応した扉の開き方

下開きフラップダウン

上開きフラップアップ

上蓋

下蓋

垂直上開き

垂直下開き

スイング上開き

水平折戸

水平収納
下開きはテレビボードなど目線より低い位置にある扉に、上開きはキッチンの吊戸棚など目線より高い位置にある扉に、上蓋はベンチ収納やおもちゃボックスの蓋に多く用いられる開き方です。
ダンパーステーの種類
一般的なダンパーステー

側板と扉に取り付けるタイプです。
取付簡単なダンパーステー

木口面に本体を合わせるだけで取付位置が決まり、面倒な位置出しが不要です。
スライドヒンジと組み合わせるダンパーステー

スライドヒンジに被せて取り付けることで、ヒンジとダンパーステーで2箇所に分かれていた部品が1箇所にまとまります。
カウンター用のダンパーステー

カウンター出入口の天板におすすめのダンパーステーです。わずかな開き角度でもゆっくり静かに閉まります。
ワイヤーのダンパーステー

ステーの存在感を最小限に留めた、ワイヤーのダンパーステーです。
多機能なダンパーステー

ソフトクローズだけでなく、扉を軽く開けるリフトアシスト機能や好きな位置で扉をピタッと止められるフリーストップ機能も併せ持ったステーです。
ダンパーステーの選定について
ダンパーステーを取り付けたのに扉がバタンと閉まってしまったという経験はないでしょうか?扉には重さや大きさによってそれぞれ適したダンパーステーがあり、正しい製品を選ばないとゆっくりした動きになりません。
例えば、扉が大きく重い場合にステーの抵抗力が弱いと扉がバタンと閉まったり、扉が小さく軽い場合にステーの抵抗力が強いと途中で止まってしまう可能性があります。
ダンパーステー選定の基準になるのが、扉や蓋のモーメントです。
ダンパーステーに対応した扉の開き方
扉や蓋のモーメントとは、ある点を中心に物体が回転しようとする力のことです。
モーメントは図のように扉の開き角度によって異なります。扉が地面に対して水平に近い方が回転しようとする力が強くなり、垂直に近い方が回転しようとする力が弱くなります。
ダンパーステーを選ぶ時は「扉や蓋の最大モーメント」に合わせた選定が必要です。具体例を見てみましょう。

開き角度10°
扉が回転しようとする力は小さい

開き角度80°
扉が回転しようとする力は大きい

もしも、この状態の弱いモーメントに合ったダンパーステーを選ぶと…

開き角度が大きくなった時の強いモーメントに耐えられずに、バタンと開いてしまいます。
つまり開き角度内の最大モーメントに合わせてダンパーステーを選ぶことで、全ての開き角度で手を離しても扉がゆっくりと開きます。
最大モーメントを求める計算式は下記の通りです。
扉の重心位置について

重心位置は、材質が均一な一枚板であれば扉の長さ÷2で求められます。
ダンパー力を調整できる製品
ソフトダウンステー NSDXシリーズやCSD-10-TV型などの一部の製品は、取付後にダンパー力を調整できます。
扉の閉じ速度・開き速度を調整できるだけでなく、他のステーと比較して多くのサイズや重さの扉に使用できます。