ダンパーヒンジ・ ダンパーステー
SLS-ELAN
トルクヒンジ
トルクステー
S-TARステー
HG-S
HG-TQJD
HG-PAヒンジ
S-ATステー
S-ATHステー
HG-JH210ヒンジ
ガススプリング
重心やトルクの考え方・基礎知識
モニターにトルクヒンジを使用する際の考え方・計算
トルクヒンジの 基礎知識
ガススプリングの 基礎知識
ダンパーステー 基礎知識
パワーアシストヒンジ・ステーの基礎知識
よくあるご質問
ダンパーヒンジ・ダンパーステー
重心やトルクの考え方(基礎知識)
モニターにトルクヒンジを使用する際の考え方
トルクヒンジの基礎知識
ガススプリングの基礎知識
ダンパーステーの基礎知識
ガススプリングの仕組みや種類、使い方などの基礎知識をご紹介します。 実際の製品選定については、ガススプリングお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。
ガススプリングは、直訳すると「気体のばね」。 普通「ばね」というと、コイルばねや板ばねといった機械的ばねをイメージするかもしれません。機械的ばねは、力を加えると変形し、力を取り除くと元に戻ろうとする、物体の弾性を利用して伸び縮みするものです。
対してガススプリングは、ガスとオイルの圧力によって伸縮します。 ガス・オイルの量、寸法の工夫で圧力を調節できるので、機械的ばねより複雑・繊細な動きを設定できます。
あくまで「ばね」なので、エアーサスペンションとは違うよ。 跳ね上げる動きが得意なんだ!
基本は、チューブとロッドで構成され、ロッドが摺動することで、部品として機能します。 種類によって中の構造は変わりますが、ここでは標準的なタイプを例にあげています。
ちなみに取付方法は、オイルが下にくるのが正しい向きだよ。 減衰機能やガス漏れにも影響するので気をつけよう!
①〜③、どの状態でも、圧力チューブ内のガス量はつねに一定です。 ①のとき、ガスはチューブの容量いっぱいに広がっています。
チューブの容積が減少してガス圧UP!
しかし②のようにロッドを押し込むと圧力チューブはその分狭くなります。 ガスの量は変わらないので、ガスは圧縮され、ガス圧が上昇します。
元に戻りた〜い!
ロッドを押し込むのをやめれば、圧力の上昇したガスがロッドを押し戻し、元に戻ろうとします。
復活!
このガスの反力が「スプリング」として機能するしくみです。
膨らんでいる風船を指で押したら跳ね返されるのと似ているね!
中の仕組みを詳しく見てみましょう。
圧縮チューブの中は、ピストンを境にAとB、2つの部屋に分かれます。 ロッドを押し込むとピストンがAの方に動いて、Aにいるガスが圧縮されます。
圧縮されたAのガスは、ピストンに空いている細い穴(オリフィス)を通って、それぞれの部屋を行き来するため、ロッドが動くのです。
ロック機能付きのガススプリングは、このオリフィスの仕組みを逆利用したものです。 オリフィスの開閉でロック機能をコントロールしています。
2つの部屋が繋がっているのであれば、ガスはそれぞれで半分ずつになりそうですが、なぜガスは常にAの方に行く(ロッドが常に伸びる)のでしょうか?
それには、ピストンの形状が影響しています。ガスの力は、ピストンを押してロッドを動かします。 そのピストンを見てみましょう。
Bのロッドがつく分、面積が狭いことが分かります。そのため、ガスの力は同じですが、面積が広い分、Aのほうが押す力は強くなります。そのためピストンは、常にロッドがあるB側に押されるのです。
ロッドが伸びていき、最後の方に動きがゆっくりになるのは、ガススプリングの「油圧減衰」機能のためです。
ロッドが動くとき、ガスとオイルでは、ピストンの孔を通る速さが違います。
ガス 早い
オイル 遅い
オイルの「遅さ」を利用して、スプリングの勢いをやわらげているんだね
ほかにも、ダイナミックダンピング(動的減衰)タイプがあります。 ピストンには孔がなく、圧力チューブに溝があり、ピストンの動きやすさで速度が変わります。 オイルと違い、取付角度の自由度が高いメリットがあります。
ガススプリングのメリットの一つは、コンパクトなのに強い力を発揮できることです。
例えば機械ばねと比較すると・・・
Φ22 × 200mm
97N
Φ20 × 210mm
500N
ほぼ同じサイズで、約5倍の差があることが分かります。コンパクトでも大きな力を発揮するため、車やATMなど、さまざまな場所で活躍しています。
また、ガススプリングは機械的ばねと比べて圧縮比も均一です。
①より②のほうがばねを縮めるのにより強い力が必要になります。例えば1にかかる力を「10」、2の力を「100」とした時、このばねの圧縮比は 【100 ÷ 10 = 10】になります。
圧縮比が高いと、例えば蓋を閉じるとき、最初は軽くても、閉めきる直前は重くて閉まらないということが起こります。 一方、標準のガススプリングは、圧縮比が1.2~1.4です。縮めるストロークが長くなっても、力の差が小さいので、反力が安定します。
ガススプリングの伸び縮みする力の変化は以下の図で見ることができます。
2つの青線がロッドの伸縮する力を示し、圧縮比が小さいほど、この線が水平に近づきます。 この図で見るべきポイントは次の4つです。
伸びる力(F2 → F1)よりも縮むときの反力(F3 → F4)が高いのは、ロッドを押し込むときに摩擦(FR)が起きるためです。
なお、ガススプリングを選ぶときは、ロッドが完全に伸びる5ミリ手前の力、一番弱くなるF1を基準に考えます。
ガススプリングを選ぶときは、まず、つくりたいものの動きや操作感をイメージし、 それに合った機能・特性の製品を探してみましょう。
scroll
重いものを持ち上げたり押し下げたりする操作の補助に向いています。 例としては、車のボンネットや装置のカバーなどでよく使われています。
装置の上カバー
乗り物のハッチ
基本的には標準タイプと同じ機能ですが、押す操作でラッチを解除して使用します。 例としては、収納式のコンセントタップなどがあります。頭部を押すと自動でゆっくり上昇し、使用後は押し込むことで収納できます。
剛性任意の位置でしっかりロックする
弾性ロック後の衝撃を吸収してクッション性をもたせる
ロック機能には任意の位置でロックする「剛性」とロック後の衝撃を吸収してクッション性を持たせる「弾性」の2種類があり、ロックのかかる位置も、用途に合わせて選択できます。 例としては、テーブルを上下昇降させるなら、しっかりロックするために剛性タイプを、オフィスチェアを上下昇降させる場合は快適な座り心地を保つために弾性タイプなど。
実際に製品を選ぶ上では、時間経過による反力低下を前提に、使用年数を考えて選んでいくことが大切だよ。もし製品の選び方が分からない・・・そんな時には「ガススプリングお問合せフォーム」がおすすめ! 寸法や使用環境を入力するだけで、最適な製品を提案します!
本WEBサイトで紹介したのは、スタビラス社のラインアップです。 スタビラス社は、1962年に世界初の量産ガススプリングを開発した、80年以上の歴史を誇るドイツのガススプリングメーカーです。